ケアマネージャーの実情1

 ケアマネージャーは在宅の要介護者や要支援者を訪問したり、もしくは入所していた要介護者が在宅を希望するなどの必要に応じ仕事をするものですが、現場では仕事とはいえ、見ていたりするのもつらいことに当たることもあります。

  実際にあった話です。要介護2の老人女性(失禁あり)はご主人が介護をおこなっていましたが、結構裕福な家庭であったため、おむつや食事は思うままにさせていただいていました。

  しかし、そのうち、ご主人が先に亡くなり、女性が認知症であることからその息子さんがご主人の代わりに本人の年金や財産を管理することになったのです。

  女性はおむつや尿パットを使用していたけれども、息子さんが面倒を見るようになってから、それらの必要であるとこちらでは思われる用品や食事などが思うようにはならなくなり、通所に来ても、異臭を放って歩くようになっていました。

  何度も、息子さんには尿パットやおむつを購入していただけるようにお願いしたが結局いまだ、購入はいただけず、異臭を放っている状態のままとなっています。

  家でも同じ状態が続いているため、家中異臭が漂っている状態であり衛生的、かつ健康的な暮らしであるとは言えず、そのことを思えばもう少しなんとかならないかとこちらでも働きかけているものではあるものの、思ったような形にはならず、非常につらく厳しい状態となっています。

  法的に、こうであるとかこうしなければならないという決まりがあればもう少しどうにかなるものかも知れないけれども、認知症などの病気によって要介護となっている場合には悪用されることもあるため、現状としてどうすることもできないものとなっています。

  その息子さんがなぜ、きちんとした用品を与えないかと言うと、自分の母親に対する愛情がないということではなく、要介護状態になっている自分の母親の現実を認められない心理状態が続いているという心理的なショックも原因の一つであり、「自分の母親に、そのような用品は必要ない。」「自分の親には介護など必要ない。」とそもそものところで信じていたいという気持ちがあるのです。

  現実として、それは母親が苦しんでいる状態であっても、様々な思いが交差して、上手くいかない状態になってしまいます。

  法律上、犯罪行為が起こってはいけないと、認知症の要介護者の家族が財産を管理するようになっていることがほとんどではありますが、そういった危険を避ける法律のことも考えた上で、要介護者が時に虐待のような状態に置かれてしまう危険性も含めた要介護者を守る介護関連の法律があれば、もう少し良い処遇を受けられるようになるのではないかと考えさせられる一件でした。